とにかく使ってみよう「Toon Boom Studio trial」の3回目。
7/17の『手抜きアニメ』の4つの背景とバケツを、元図に手を加えず、動かす方法です。
●1準備●すべて「drawing」モードです。
★背景★
◆1◆「+」をクリック、新規「drawing」レイヤーを作り、識別しやすい名前をつける。
サンプルでは「beach]としました。
1コマ(フレーム)目を右クリック、「insert cell」でコマ作成。
右端の「カラーパレット」並びにある「ライブラリ」タブをクリック。
左側の「Toon Boom Templates」→「Backgrounds」をクリック。
右側リストの「Beach.tbt」をダブルクリック→プレビュー表示されます。
その背景でよければ、さきほど作ったレイヤーのコマへ引きずって入れます。(ドラッグ&ドロップ)
背景を挿入したコマを右クリック、「Extend Exposure」→「Extend to Frame」で例えば「20」を入力します。
これで1コマ目から20コマ目まで同じ背景になりました。
余談:ライブラリには自作背景やよく使う図形を登録できると思うのですが、現時点で未確認です。
◆2◆次の背景は、新規レイヤーを作り、21コマ目をクリック。あとは1と同じ手順で、別背景を挿入。
「Extend to Frame」で「40」とし、40コマ目まで拡張。
以下「41~60コマ」同じ手順。サンプルでは最終背景を「61~90コマ」にしています。
新規レイヤーはまとめて複数作ってから始めることもできます。
初期設定で表示されるレイヤーも勿論使えます。
★バケツ★
新規「drawing」レイヤーに、画面左端縦並びの上側の「筆」の形をしたツールをクリック、現われる「Brush」や「Pencil」でバケツを描きます。色塗りは「バケツ」の形をしたツールで。
Illustratorと違うのは、描いて着色した後は、「線」と「塗り」が別々に操作できることです。
サンプルバケツの中の水は、あとから「線」を削除して水色の塗りのみ残しています
「Extend Exposure」で20コマまで拡張。
背景に合わせて4つのバケツレイヤーをつくります。新規レイヤーを作って画像を貼り付けるか、最初のレイヤーを複写(レイヤー名をクリックして「Duplicate Element」)し、コマを全て選択状態にしてドラッグして横移動させるか)。
(これに限らずToon Boom Studioの操作方法はいろいろあります。説明しているのは一例です。)
バケツの「大きさ」「位置」は、作成しようとしているアニメと同じでなくてかまいません。
「大きさ」「位置」は「camera」モードの操作で決まります。
とはいっても、「camera」モードで縮小すると、線も相応に細くなりますので、極端に違わないほうがよいと思われます。
●2動かします●すべて「camera」モードです。
使うのは画面左端縦並びの下側のツールです。
動かす画像のレイヤーをクリックします。
この時、他レイヤー画像が邪魔なら、左端のチェックマークを外して非表示にします。
まず★バケツ★から。
◆1◆白抜き矢印の「Select」ツールをクリック
「Select」ツールで図をクリックすると、図の周囲に■マーク、中に青色二重丸、右に飛び出したアームが表示されます。アニメで使いたい大きさに変更します。
図の■マークで拡大縮小回転変形ができます。元画像の縦横比率のまま拡大縮小するなら、Shiftキーを押したままドラッグを。
アームで図の角度を変えられます。
★重要★青色二重丸は回転の中心を示すものです。
◆2◆「Motion」ツール
大きさを変更したら、ツールを一番下の「Motion」に変えます。
赤色マーカーが動きを開始したいコマ(1コマ目)にあることを確認して、バケツを左端に移動します。
コマに黒四角が入りました。「Keyframe」の表示です。
次に、赤色マーカーを20コマ目に移動します。バケツを右端に移動します。
黒四角が入り「Keyframe」になり、間がグレーでつながれました。
この状態で、赤色マーカーを動かすと・・・バケツが左から右に移動して見えます。
中間点に赤色マーカーを移動しバケツを上に動かすと、途中まで上がってまた下がりながら右へいく動きになります。
★同じコマに複数ツールの動きを設定することもできます。
複数設定されたフレームは「Keyframe」マークが複数表示されます。
◆3◆「Transform」ツール
1コマ目に赤色マーカーを戻します。ツールを「白い点付き四角の「Transform」に変えます。
ほぼ「Select」と同じ使い方のツールですが、違いは「Select」では動かしても「Keyframe」にできません。
ここでは赤色マーカーを少しずつ動かし、バケツを回転させながら位置を少し上下にずらしました。
「Motion」ツールで設定した横方向の移動も「Transform」でできます。(「Motion」で先に移動設定しておくとコマ間の移動距離が等分になるような気が・・・)
背景1でのバケツの移動は「Motion」に「Transform」を組み合わせ、「Transform」の操作で手書き感覚でちょこまか「Keyframe」を作りましたが、途中を省いてもあまり影響なかったかもしれません。
◆4◆「Scale」
下から2番目、拡大縮小ツールです。背景2でバケツが左から大きさと位置を変えて右へ移動する動きです。
背景2では「Motion」で初め(左端)、中央(中央上)、終わり(右端)の動きを設定してから、「Scale」で初めを少し小さく、中央を大きく、右端を小さく指定しました。
が、この動きは「Transform」で大きさと位置を変える方法だけでも設定できます。
◆5◆「Rotate」
「Skew」と一緒に矢印のついた円のサブメニューになっています。
「Rotate」ツールで絵をクリックすると、緑色の円が表示されます。
中央の二重丸が回転の中心、外側が回転軌道です。
二重丸を移動して回転軌道を大きくすれば大きな動きになります。
回転のスピードを変える(初めゆっくり回り、後は早くとか)のでなければ、回転開始と終了のコマだけ指定すればできます。背景3の途中までの動きです。
◆6◆「Skew」
基本は図を横方向に変形させるツールです。背景4のバケツです。
が、動かし方によって、図が上下に変形したり裏返ったりします。
上下左右の反転は「Transform」「Scale」でも出来ます。図周囲の■を図の中心に向かって移動し、中心を過ぎると裏返ります。
次に★背景★の動きです。
ここまでくれば、何となくわかると思います。
◆背景1◆海辺
挿入した図を、「Select」ツールで横に伸ばします(テストなので、縦横比無視)。
「Motion」ツールでカメラ枠の左端に絵を合わせます。先に赤色マーカーを1コマ目に移動しておくことをお忘れなく。
次に最終コマ(ここでは20コマ目)にマーカーを移動してから、「Motion」ツールで絵をカメラ枠の右端に合わせます。
(正確に移動させる場合は「Shift」キーを押しながら移動を。)
仮に地震のように上下に揺らしたいのなら、中間で上や下に図を移動させれば表現できます。
◆背景2◆街
◆背景3◆赤い家
各ツールの使い方が分からなかったときに、描画枠右端上部のモード切替の下にある線4本が交差したアイコンをクリックし適当に操作したら、ズームイン、ズームアウトになりました。が、本来の使い方ではないような気がします。
バケツと同様「Scale」で拡大縮小すればズームイン、ズームアウトになります。
◆背景4◆水辺
「Motion」で位置を動かし、最後の動きに「Scale」で縮小を付け加えました。
★★以上の操作は「Timeline」並びの「Function Editor」でも指定できるようです。今のところ、「Function Editor」の使い方がよく理解できていません。
★★重要★★:動きが上手く設定できなかった時、変更したい時、動きを削除したい時は
コマ(フレーム)上で右クリックし
「Remove keyframe」
「Remove all keyframe」
「Remove keyframe」は keyframeを1つだけ削除、
「Remove all keyframe」はそのレイヤー上の全てのkeyframe(全ての動き)を削除、
です。バケツのレイヤーを4個作ったのは、最初全体通しの90コマにちまちまと keyframeをつくって動かしていて、やり直しのつもりで一部分のみ選択して、その範囲だけ「Remove all keyframe」の積りだったのに、レイヤー上の全ての動きが消えてしまった・・・という失敗をしたからです。
文中に「右クリック」とあるメニューは、画面上部の「file」「edit」「view」などをクリックしても表示されます。
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