文系(映画とか)

2015年6月 9日 (火)

上野、の前の三鷹オスカー

昨6月8日、東京地方は梅雨入りしました。

途端に涼しくなりまして、4月5月の猛暑はなんだったのか。夏支度しちゃったのに、しまった服をもう一度出せってか・・・と、かっかすることはありません。

涼しくてよろし。

前日の7日は晴天なれど湿気少なく風爽やかな休日でありました。こんな日はお片付けに励みましょう・・・と思いつつせっかくの休日、遠出もしたい。国立博物館の券だってあるし・・・来週にしようかな、でも来週が最終日だったら嫌だな・・・

で、券をチェックしました。

およよ。

本日最終日 じゃありませぬか。

行くざます。出し物は・・・じゃなくて、展示は「鳥獣戯画」特別展。

なんてこってしょ、最終日に観に行くなんて。大幅にポリシーに反します。それ以前に凄い行列でしょうね。でも行きます。

で、あたふたとお家を出て電車に乗って30分で上野駅につきましたわよ。早えーなー。

で、まっすぐ博物館に向かえばいいものを、(どうせ混んでて観られやしないわよ)と、西郷さん口から入って、彰義隊だの清水観音堂だの擂鉢山だの上野大仏だの東照宮だの寄り道しまくって、入場したのはお昼過ぎ。

どうせ奥の会場から入場ゲートまで延々つづく長蛇の列ですよ、焦ったって・・・

あれ? 空いてる。会場にすんなり入れる。ラッキー。

と思ったのですが、落とし穴あり。どんな穴に落ちたかは後程ご報告。

寄り道の「上野大仏」が昔見た記憶と違う気がしました。(30年以上前のことですよん。)

調べようと図書館から本を借りてきました。確かこの本に写真つきで乗っていた筈・・・

『世紀末大東京遊覧 文春文庫 ビジュアル版』
 B級グルメクラブ/編  1987.6

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ええと、あれ?載ってない。勘違い。

しかし。

ぱらぱらとめくっていて、見つけちゃいました。

今は無き、三鷹駅南口の映画館「三鷹オスカー」。外観じゃなくて、内部スタッフの写真ですが。さすが28年前の出版物。

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P188 キャプション:〈下町の名画座で知られる「三鷹オスカー」の、気さくな支配人(左)とスタッフたち〉

この映画館にはずいぶんお世話になった筈です。お尻が痛くなる3本立てでした。

この本のP173~192が「シネマファンに捧ぐ B級映画館の楽しみ方 さらば高級ミニシアター」(町田大)でして、中高年には懐かしい映画館がザックザック登場します。

惜しまれつつ閉館した「新宿昭和館」の写真もあります。

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P190-191 キャプション 左上と下:〈脇目もふらずにヤクザ映画だけを上映。「新宿昭和館」の心意気やよし〉 (右上は「新宿ローヤル」)

ばかかりし頃のワタシも行ったことがある筈です。

2002年に閉館しましたが、そのスタッフだった方が、在りし日の奇想天外な「新宿昭和館」を本に残しています。

Showa

『名画座番外地 「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』 
川原 テツ/著 幻冬舎 2007.7

昭和館の内部事情は、マジかよ、と言いたくなるような奇天烈なものでした・・・

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2015年1月21日 (水)

ニコ・ピロスマニ

ピロシキの小さいのを2個・・・

失礼しました。Niko Pirosmani。グルジアの画家です。亡くなってそろそろ百年。

グルジアってどこよ? 旧ソ連邦です。昔は「ソ連」でひとくくりにしてました。

で、ピロシキがどうかしたって? じゃなくてピロスマニがどうかしましたか。

ワタシ、インフルエンザ恐しで外出を控えております。自分のことだけなら罹患したとて寝込むだけで済みますが、某お世話係をしておりまして、早い話が生き物係は休みがないよのね。世話を怠ると祟りがあるのよね。インフルエンザをうつすのも厳禁なのよね・・・

というわけで、休みの日はお散歩もせずひたすら掃除洗濯整理整頓各種工作に励んでおります。

で。映画パンフレットの箱を整理しようとして追憶の扉を開けてしまったのでした。

出るわ出るわ、昔観た映画の思い出が。

その一つが「ピロスマニ」。1969年制作、日本公開は1978年岩波ホール。ピロスマニがどういう人か一切の予備知識なしに観まして、グルジアの色彩の美しさに圧倒された記憶がありました。

150121pirosmani_2

ニコ・ピロスマニ(正式にはピロスマナシヴィリ)は、正規の美術教育を受けていない、いわゆる「アール・ブリュット」の画家。素朴派という方がわかりやすいかしらん。1862年に生まれ、1918年不遇のうちに生涯を閉じました。

↓こんな絵を描いています。いいなあ・・・

Noko_kojika

「小鹿のいる風景」(1913年)。

YouTubeに作品紹介がありましたので、ご覧くださいまし。

Pirosmani」 4分 http://youtu.be/LHltmb1Bzok

Niko Pirosmani」 6分 http://youtu.be/O0q0dU0NssY

映画「ピロスマニ」もYouTubeにありました。

Pirosmani (film rusesc cu subtitrare in limba romana) 」 81分。
http://youtu.be/ta7EI7OoxUA

おお、観るざます・・・グルジア語ざます。理解不能な字幕が付いてるざます。

ネットで解説を探しましたが、大雑把な筋書きだけしか見つかりません。

絶望的・・・ではありません。うふふ、昔の映画パンフにはシナリオが採録されているのですよ。では。

80分間、名画鑑賞の時間でした。昔の記憶では実に鮮やかな色彩が溢れていたのですが、今回の動画では画面が小さいせいか、あるいは制作後45年を経ての変化か、画面が暗い。暗いのですが、ことごとくの場面がそのまま絵画の観を呈していました。

映画としても名画だ・・・

映画は、若きピロスマニがそれまで暮らした地主の家を出ていくところから始まります。地主の娘が別れを悲しんで泣いていますが、ニコラ(以下映画ではニコラ)、どうしても町へ出ていきたい。

Niko_3

(↑画面下に字幕、さっぱり解読できません。)

場面が少し進んで、レストランに二人の男が入ってくる。二人は画家。壁の絵に目を留める。画家ピロスマニが中央画壇に見いだされた瞬間。

ニコラは旅暮らしに飽きて、友人ドミトリと食料品店を始める。が、なにかに興味をひかれると客を放り出してしまったりで、商売向きではない。姉夫婦が結婚相手を世話し、田舎で婚礼が行われるが、途中でニコラは姉夫婦に騙されたと思い逃げ出してしまう。

↓婚礼の場面。

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↓同じく婚礼の場面。

Niko_23_2

婚礼騒動が原因で、ドミトリとも仲たがいし、食料品店は閉店、貧しい人々にありったけを与えてしまう。看板の牛の絵も、通りがかりの男に乞われわずかな金で売ってしまう。

と、この調子で解説をしていったらきりがありません。

ごくごく大雑把にまとめると、ニコラは絵を描くことで町の人に愛されたが、中央画壇に「見いだされた」が「基礎ができてない」との批判にもさらされ、人々に見下され冷笑される。

Niko_61

↑ニコラを冷笑する三人の「友」。右に「キリン」の絵。

「なぜだ。俺が何を求めた。俺に大げさな約束をしたのは奴らじゃないか。俺は何も変わらん。今まで通りやる。俺には主人もおらん。俺が絵を描くのは聖ゲオルギーにせきたてられた時だけだ! 違うか!」

(岩波ホールのパンフから)

アンリ・ルソーも冷笑され続けたし、モディリアーニも生前は評価されなかったし、「美」は理解されるまで時間がかかるのでしょうかしら。

(たちまち評判になる作品は忘れられるのも早い、という事実はありますよね。)

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2014年7月15日 (火)

この世の果てるまで

昔見て忘れられない映画の一つが『シベールの日曜日』(1962年、フランス)です。

好きな方は大勢いらっしゃるようで、ネット記事を探すと、実にたくさん出てきます。

DVD化されたとき、ラストの重要なシーンがカットされていると話題になりました。

それについてもいろいろな記述がありますが、往年のファン(中高年のことです)の「カットされちゃってる!」派を、問題シーンを見てない人たちが罵倒しまくってるサイトがありました。

「妄想だ」「ありもしないシーンをでっち上げるんじゃない」とか・・・

ネット上の話を総合すると、なんども公開され、初公開時、再公開時、テレビ放映、BS放映などで異なるバージョンだったようです。

そのシーンのないバージョンを見た人にとっては「何言ってんだ」となるも仕方ないでしょうけどね、見たことないからってののしっちゃいかんですよ。

ワタシが見たのは、1971年4月、新宿の名画座「シネマ新宿」での再公開でした。

きっちり覚えていたわけではなく、あるサイトをみて、当時のワタシの状況からすると、これしかないと思った次第です。

新宿にあった小さな小さな名画座「シネマ新宿」の1971年春のラインナップ

http://d.hatena.ne.jp/yabuDK+showa/20120419/1334812188

図版中に、1971年4月6~12日「シベールの日曜日」とあります。

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見たことがない人が「妄想だ」と言うのは、ラスト近くのシーン(以下ネタばれします)。

ピエールが教会の屋根から外した風見鶏を持ちシベールの待つ東屋に戻る。ピエールがナイフを振りかざしすシーンがシルエットで浮かび上がり、直後に銃声が響き渡る・・・

このシーンを「ピエールがシベールを殺そうとした」と解釈するなら、話が大きく違ってしまう。だからそんなシーンなかったのだ・・・とカット無し派。

いいえ。

ワタシが見たのは40年も前ですが、当時このシーンを見て「殺そうとした」なんてこれっぽちも思いませんでしたよ。

ナイフは二人の重要な小道具で、これはいつもの遊びだと。

それ以前にもナイフを振りかざすシーンがあります。

町の噂を心配したマドレーヌが、ピエールとフランソワーズ(シベール)を隠れて追跡し様子を伺うシーン。

ピエールがシベールにナイフを振りかざし、マドレーヌは身をすくめる。

が、すぐシベールが今度はピエールにナイフを向ける・・・

こちらのシーンはカットされていません。

ナイフは二人にとって魂の声を聞くための魔法のナイフでした。

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実は、40年前には見過ごしていた場面がありました。

いや、聞き過ごしていた場面です。

画像としてははっきり覚えていますが、フランソワーズがピエールに抱えられて、歌う場面です。

今回、気合を入れて聞きました。字幕に歌詞の訳はありません。

『Aux Marches du Palais』 (宮殿の階段で)

フランス人なら誰でも知っている古謡もしくは童謡のようです。

劇でも映画でも小説でも、作品中の歌は重要な意味を持つことが多くあります。

そしてしばしば異なる言語圏の人には悩みの種にもなります。

英語なんぞ、誰でも知ってる前提で、マザーグースの歌が紛れ込んでいたりします。だいぶ経ってから気がついて、ああそうだったかと思えるのはまだいいです。多くの場合、なんだか釈然としないまま人生を終えることになるかもしれません。

この歌、ありがたいことにYouTubeにありました。

国民的な歌のようで、ナナムスクリもマリーラフォレもイブモンタンもあの人もこの人もその人も歌っています。

アニメ版もあります。絵だけで意味がわかります。

http://youtu.be/NzTqyr__D4k

歌う人によって微妙に歌詞が異なりますが、大意、

「美しい娘がいて、大勢の男が言い寄り、娘はしがない靴屋を選んだ。

娘さん、一緒に眠りましょう、このナンタラカンタラ(白いシーツだったりラヴェンダーの香りがしたり四隅に花束があったり中央を深い河が流れていたり川で王様の馬が一斉に水を飲めるほどだったり・・・バリエーション豊富)のベッドで。

ずっと幸せに、この世の果てるまで一緒に眠りましょう。」

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ピエールとシベールも、この世の果てるまで幸せに一緒に眠るはずでした。

が、いきなり、理不尽にピエールが失われてしまった。

もう一度、ラストの問題場面。風見鶏を手に入れたピエールの後を警察官が尾行する。ピエールは東屋へ戻り、シベールは目を開ける。ピエールはナイフを振りかざす(シルエットで表現)。銃声が響き渡る・・・

シベールが悲鳴を上げて逃げ出したのは、ピエールが目の前で殺されたから(と思いました)。

気を失い警官に抱えられて戻ったシベールが名前を聞かれる。

「名前なんかないわ。もう誰でもないの」

世界が終わってしまったから・・・

ネット情報によると、ワタシと同じバージョンを見た人の中にも

「どうしてピエールはシベールを殺そうとしたのかな」

と思った人もいたようで、ピエールが殺人鬼と受け取られては意味が違ってしまう、と後にカットされたらしい、という意見も。

人間の感性はいろいろです。

ただ、カットされたため、唐突に終わってしまったという印象は残ります。

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で、『Aux Marches du Palais』の歌詞を意識しながら、もう一度見ると、あらゆるものが悲劇の結末へとつながっている気がします。

実に深読みしがいのある映画です。

フランソワーズの本名シベールCybeleは、フランス語のsi belle(とても美しい)と発音が同じで、歌の中のtant belle(とても美しい)に繋がります。

歌の中のとても美しい娘はシベールのこと。

言い寄る男たち(同年齢の少年たちと遊ぶシーンがありました)ではなく、ピエール(心の年齢はシベールと同等)を選びました。

ワタシ18がになったらあなたは36、結婚できるわ・・・

シベールは二人で過ごすクリスマスを夢見る。

きれいに飾ったツリーとプレゼント。私にはあの風見鶏。シャンパンに酔って私はあなたと眠りにつく。手に手を取って・・・

歌そのままの幸せな夢。

ピエールはその夢をかなえると約束し、ツリーを運びロウソクを持ち出しシャンパンを用意する。

シベールのプレゼントは本名を書いた紙の入った小さな箱。

ピエールは本当に嬉しくて、約束の風見鶏を取りに行く。

首尾よく手に入れて戻り、さあ、という時、銃声が鳴り響く。

気を失ったシベールをなぜピエールの傍らに横たえたのか。

一瞬ですが、ピエールとシベールが一緒に眠っているように見えます。

〈この世の果てるまで一緒に眠りましょう。〉

ピエールが失われた世界はあべこべの世界。

「名前なんかないわ。もう誰でもないの」・・・

深読みしなくたって、充分引き込まれる映画です。

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なお、問題のカットシーンについて、英語とドイツ語のwikipediaには明瞭に記述されています。

英語版:
http://en.wikipedia.org/wiki/Sundays_and_Cybele

Plot

Pierre has nothing to give Cybele for Christmas, so he takes up her earlier joking challenge to bring her the metal rooster on top of a Gothic church near the orphanage. Being a former pilot, he musters the nerve to climb the 300 foot steeple, and uses his knife as a tool to unscrew and bring down the rooster. He approaches the girl, carrying the metal rooster and his knife. However, at this point, the police arrive and shoot him dead to "protect" the child, who they think is in danger.

Cybele, who had fallen asleep waiting to meet Pierre for their Christmas together in the snow covered park's gazebo, is devastated by witnessing the pointless killing of her friend.

ピエールは風見鶏とナイフをもってシベールに近づく。しかしその時、警官が到着し、危険からシベールを”守る”ためピエールを射殺する。

雪に覆われた公園の東屋でピエールを待ちながら眠ってしまったシベールは、ピエールが無意味に殺されるのを見てしまい、心を引き裂かれる。

ドイツ語版:
Sonntage mit Sybill

http://de.wikipedia.org/wiki/Sonntage_mit_Sybill

Mit einem Messer montiert er den Metallhahn ab und bringt ihn dem Mädchen. In diesem Moment kommt die Polizei. Die Beamten sehen Pierre mit dem Messer in der Hand vor dem Mädchen und erschießen ihn.

(infoseek自動翻訳(一部代名詞を修正):ナイフ金属雄鶏を取り出して女の子それを持ってきます警察来ます当局女の子の前にナイフピエールに会ってを撃ちます

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2014年6月26日 (木)

時代の枠 あるいは昔の映画

昔、映画好きでした。

昔、映画は封切館の後は「名画座」で見ることができました。

名画座は数多あり、安い上に3本立てなんぞもザラでしたから、映画好きで金のない若者は暇さえあればあちこちの名画座に通いました。

封切館へ話題の新作を見に行くのは、デートだとか、ちょっとしたイベントでした。

ワタシの映画青春時代は1970年代です。

それ以前の年代は片田舎で思春期やってまして、それ以後の年代は子持ち勤労者やりまして、そのまた以後は老親問題がありまして・・・

早い話、映画三昧だったのはほんの10年間ぐらい。

で。

余裕の出てきた近頃、見る映画といえば、その1970年代に見たものが多い・・・

早い話、最近の映画が面白くないのね。

これって、凡人の宿命です。

時代の枠組みから離れられない。

人格形成期に見た映画はしっかりオノレの内面に組み込まれてしまっている。

で。

それではダメでしょ新しい動きに敏感にならねば・・・なんてこと、考えもしません。昔見た「名作」に新たに心動かされているのですよ。

いいじゃありませんか、この先下り坂のお年頃なんだからほっといてくれや。

(ダレもかまってませんけど)。

という長い前置きの後に、ワタシの好きな映画100。

(100もありゃしません。景気づけ)

順不同です。思い出した順かな。

YouTubeで結構見られます。

当然字幕なし。あっても理解不能な言語だったりします。

『首輪のない犬』(Chiens Perdus Sans Collier フランス 1955年)

いきなり田舎時代にTVで見たのをトップに出しちゃった・・・2013年のブログに書いてます。

『だれのものでもないチェレ』 ( Árvácska ハンガリー 1976年)

2010年に再公開されましたが、個人的にゴタゴタしてまして、気がついたら上映終わっていました。残念。

1930年代の独裁政権下の貧しいハンガリーで孤児であったら、それは人間であることを意味しない・・・

↓孤児チェレが唯一親しんだおじいさん(Nagyapa)。しかし、老人の命は長くはない。

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冬に備えて豚の屠殺場面。

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流れ出る血を容器に受け、固まらないようかき回す。

しかし、こき使われたチェレに御馳走の分け前はない。

↓老人と過ごした牛小屋で、今は一人祈りを捧げるチェレ。

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火は倒れて藁に燃え移り炎上する・・・

ハンガリー語はさっぱりですが、Nagyapa(おじいさん)だけは覚えてしまいました。

『シベールの日曜日』(Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray / Sundays and Cybele フランス、1962年)

DVDが出ていますが、ラストの重要なシーンがカットされているいないでネット上に様々な説が出ました。

ワタシはカットされていないプリントを名画座で見ています。

Cybele

Cybele1

Cybele2

Cybele3

改めて見直すと、死のイメージがちりばめられています。

上から3番目、森の中、ピエールに死体のように抱かれて歌い続けるフランソワーズ。

2番目、占い師から盗み出したナイフは重要な小道具。

4番目、ピエールにナイフを向けるシーン。知らない人が見たらまるで「殺害が行われようとしている場面」。がフランソワーズはいとおしげにナイフを自分の顔にあて死を語る。

・・・カットされたシーンへの伏線になっているんと思うんですけどね・・・それでもあの場面、カットしちゃうんですか・・・

『愛の嵐』(Il Portiere di notte / The Night Porter イタリア 1973年)

これもDVDが出ていますが、ネット評によると画質が良くないとか。

シャーロット・ランプリングがナチの軍服着せられ(半裸)で歌う頽廃的な場面が忘れられません。

Night

倒錯のお嫌いな方にはお勧めしません。

『国境は燃えている』(Le Soldatesse / Camp followers イタリア 1959年)

今のところYouTubeには予告編のみ。DVDはブラジルでのみ発売。

第二次大戦下、イタリア占領下のギリシャは困窮、女たちは生きるためにイタリア軍に・・・

Marie2

英題の意味は「従軍×××」。切ない話です。

Marie1

執念でネット全体を探すとfull movieがあるようですが、いずれも外国のサイトで、登録が必要だったり、何かのダウンロードが必要だったり、あるいはいきなり画面が始まるものの、2時間も接続している間に何かしこまれるんじゃないかと不安を覚えたりで、おすすめできません。Le Soldatesse 1965。

(写真はイメージ検索からお借りしました。出所は外国の危ないサイトかも。)

『家族の肖像』(Gruppo di famiglia in un interno / Conversation Piece イタリア・フランス 1974年)

YouTubeには断片だけ。DVDでてます。

(デジタル・リマスター 無修正完全版ですって・・・)

ルキノ・ヴィスコンティ監督。監督お気に入りの美男俳優ヘルムート・ベルガ―がドイツの過激派学生を演じていました。

Conver

右翼に袋叩きにされる場面は、『ガラスの部屋』でレイモンド・ラブロックが内ゲバで襲われるシーンと通底しているようないないような・・・

『ガラスの部屋』(Plagio イタリア 1969年)今のところYouTubeには予告編のみ。

DVDが出ています。唯一日本のみだそうです。画質がとても良いとか。

引き込まれた映画ですが、正直言ってもう一度見るのが怖い。あの感性が自分に残っているか不安で。

Plagio2

『モア』(More ルクセンブルグ 1969年)

ドイツ人の健全な若者が旅先で知り合った女性に引きずられてドラッグ中毒となり、ぼろくずのように命を落とす話。YouTube上での視聴年齢制限あり。そんなにヤバイ話だったかしら・・・ミムジー・ファーマーに惹かれました。

制限無しバージョンもあり。MORE 1969 Subtitulada。ほとんど同じだと思うんですけど。

どっちも画質はよくない・・・

Original Trailerがきれいです。

音楽がピンク・フロイド。DVD出てます。

More1

ミムジー・ファーマーがとにかく魅力的。

ネットには「変態映画ファンのミューズ」という評も。

More2

これももう一度見るのが怖い映画。

あ、でも、もう一度見たくなってきた・・・

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結末が悲惨なものばかり・・・ よっぽど人生辛かったのかしらん。

他にも好きな映画はあります。

『反撥』『袋小路』『地球に落ちてきた男』『惑星ソラリス』『悲しみよこんにちは』『気狂いピエロ』『その男ゾルバ』『去年マリエンバートで』『黒いオルフェ』・・・

邦画はどうした。

日活ロマンポルノも含めて結構見たはずなんですけどね、うーん、思い出せない。『8月の濡れた砂』とか・・・いや、見たくて見られなかったのかな・・・

敏八監督の『赤い鳥逃げた?』の桃井かおりの白黒ショーは覚えてますけどね・・・

いずれまた。

待て、ハリウッド映画はどうした。

見てますよ。

『さらば愛しき女よ』『俺たちに明日はない』『ガルシアの首』『ディアハンター』とか・・・

もっともっと見てるんですけど、ハリウッド流ハッピーエンド映画はどうも記憶に残らなくてえぇぇぇぇ。

(そういえば1990年代後半にレンタルビデオでアメリカ映画を見まくりましたわね。)

でね、思うんですよ。好きな映画のことを話すのは、こっぱずかしいと。

冷蔵庫の中身を公開してるみたいだと。

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恥かしついでに冷凍庫の中身も公開。

片田舎の青少年期、観たい映画は地方まで来ないこともありました。というより多かった。

『ブーベの恋人』(La ragazza di Bube イタリア・フランス 1963年)

どれほど憧れたことか。いまだ見ていません。

YouTubeには今のところ予告編「ブーベの恋人」と部分的なものがあるだけ。

(La ragazza di Bube - Luigi Comencini (1963) English subtitles)

DVD出てるんですけどね。高騰してる・・・

『ナック』 (the knack イギリス 1965年)

おしゃれな映画らしい、と思い続けていました。

かのモンティパイソンの国のリチャード・レスター監督です。

DVD出てますけど、高いな・・・と思ったら、ぶつ切りですがYouTubeにありました。

つなぎ合わせてみればいいんです。the knack  1965。

つぎ、TVで一度みただけでもう一度見たい映画、

『河は呼んでる』(L'eau Vive フランス 1958年)

DVDがありましたけど、18000円だって・・・じょーだんじゃない。

YouTubeには影も形もなし。

と思ったらありました。

昔白黒テレビで見たので白黒映画と思い込んでいて見逃していました。カラー映画でした。

L'eau vive en entier。 おほほ、見るざますよ・・・

というところに仕事入稿。あ~れ~、片付くまで消えないでいておくれ。

も一つ、ついで。題名が恥かしい『傷だらけのアイドル』

邦題が悪いんじゃい。原題:Privilege(特権) イギリス 1967年。

田舎のブリティッシュロック好きには必見なのに見られない幻の映画でしたぞ。

おお、YouTubeにある。Privilege (1967)

仕事片付くまで消えるなよっ。

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2013年9月23日 (月)

忘れられる911

今年2013年9月11日は、2001年のニューヨーク・ツインタワービル「911」から12年目でしたが、ほとんど話題になりませんでした。

事件が風化するのは早いんだな・・・

という話ではありません。もう一つの911です。

1973年9月11日に何が起こったか。

その日、ペルーのサンチャゴに「雨が降った」・・・

気象情報の話ではありません。「雨が降る」は暗号です。

1970年選挙によって選ばれたアジェンデ大統領は、穏健派の共産党や急進的な社会党などの「人民連合」が支持母体の、南アメリカ初の社会主義政権でした。

しかし、社会主義政策は富裕層や軍部の反発を招き、米国CIAの干渉するところとなります。

1973年9月11日、大統領のいるモネダ宮殿はチリ軍によって砲撃され、大統領は亡くなります。

チリ・クーデター
〈世界で初めて自由選挙によって合法的に選出された社会主義政権を、軍部が武力で覆した事件として有名である。〉 wikipediaより

攻撃開始を「雨が降っている」と暗号でラジオは伝えたのでした。

と、如何にも見てきたような話を書きましたが、「雨が降る」の部分は映画のストーリーを借りました。

『サンチャゴに雨が降る』(Il pleut sur Santiago)は、1975年制作のフランス・ブルガリア合作映画。

1973年9月11日早朝のチリ・クーデターの発生から首都サンティアゴを中心にした各地の市街戦、軍事評議会による権力掌握を経て、詩人パブロ・ネルーダの葬儀にいたる10数日間の出来事の描写を軸に、並行して、登場人物の一人である外国人記者の回想という形で、サルバドール・アジェンデの大統領当選からクーデターに至る流れが描かれる。〉 wikipediaより

この事件はリアルタイムで知っているはずなのですが、当時は関心が半径300メートル程度のアーパールーパーでした。映画も公開されたのを知っているのですが、見に行きませんでした。見ていれば、その後の人生が少しはまともになっていたかも・・・

グチっても仕方ない。今から見ましょう。

↓雰囲気の分かる予告編

『サンチャゴに雨が降る』 DVD用トレイラー IL PLEUT SUR SANTIAGO
http://youtu.be/RJdpM772SYI

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↓全編。フランス語。英語の字幕がついてて、その上にスペイン語の字幕が重ねてあります。2時間ちょっと・・・

Llueve Sobre Santiago-Subtitulada al Español-(Completo)
http://youtu.be/H3uBUdj4Xik

DVD買うべきかな・・・スティングレイから3800円で出てましたな・・・

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↑この画像で思い出しました。上部の血に染まった無念の表情をチラシかポスターか予告編で見て怖気づいてしまった・・・気がします。

今頃どうしてチリ・クーデターが気になったかというと、『革命商人』(深田裕介 新潮社 昭和54年(1979年)8月15日)を読んだからでした。

小説ですが、事実を下敷きにしています。革命(クーデター)を商機として活躍した日本商社の話でもあります。岩崎商事とか宮井物産とか、モデルがすぐ分かる名前がでてきます。

中心になっているのは、チリ陸軍にトヨタのランドクルーザーを売り込んだ宮井物産と、理想に燃え人民連合に肩入れし急進派に資金提供をすることになる江利産商。

江利産商に関しては、小説中にのみ存在する商社なのか、モデルが分かりません。小説では、クーデター後、命からがらチリを脱出します。

『革命商人』から少し引用。

〈「先刻からラジオが妙なことをいうとるし、煙があがっとるので、気になって(中略)、工科大学の寮がMIRの巣やいうんで今朝がた軍に襲撃されたらいいですわ」

(中略)

 坂部のいうとおり、背後の工科大学の構内からは盛んに煙があがっていた。

 エクアドール通りの入り口近くに息子や娘の身を案じて集まってきた両親なのか、中年の男女が数人立って不安そうに煙のほうを眺めている。〉 (下巻・206ページ)

江利産商支社長海野が、我が子同様に面倒を見ていた若いペルー人姉弟は前夜この寮に泊まり、行方が知れない・・・

「先刻からラジオが妙なことをいうとるし」は、「雨が降っている」とのラジオ放送のことを言っているはず。

〈この日、陸軍は左傾した学生がもっとも多い工科大学を中心にチリ大学薬学部、カトリック大学などを襲撃している。〉 (下巻・206ページ)

〈「子ども相手にひどいことをしたもんですよ」〉 (下巻・206ページ)

軍と学生が相容れないことを、著者は小説の始めのほうで、宮井物産チリの社長となる平川の、戦時中学徒動員により召集された体験とからめて記述しています。

〈学生が陸軍でいかに処遇されたかは、山本七平氏が「一下級将校の見た帝国陸軍」の中で指摘する「陸軍が最後の最後まで学生を信頼せず」、かつまた「インテリは兵士に向かず、学生は軍人に適さない」と頑固に信じこんでいた、という言葉に尽きるだろう。〉 (上巻・20ページ)

知識人も多くが犠牲になりました。

フォルクローレシンガーのビクトル・ハラ、国民的詩人のパブロ・ネルーダ・・・

ネルーダは直接殺害されたのではありませんが、クーデターが病気を致命的に悪化させたといわれています。

〈何もかも悲しいね。パブロはサルバドル・アジェンデの親友だった。社会主義へのチリの道は彼の生涯の理想だった。アジェンデが死に、社会主義政権が倒れてから、十四日後にパブロは死んだ。パブロは失望のあまり死んだのではない。だが、強い失望感を抱きながら死んでいったのだ、と思う。(ガブリエル・ガルシア=マルケス)〉  「ネルーダ詩集」田村さと子訳編 思潮社 116ページ。

↓スペイン語はわかりませんが、「ビクトル・ハラがパブロ・ネルーダの詩を歌う」という意味だと思います。心にしみる歌声です。

Victor Jara canta a Pablo Neruda. Poema 15 (HQ)
http://youtu.be/wEy-PDPHhEI

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選挙で選ばれた大統領が軍部に殺害されたことも衝撃ですが、事件から40年たった今、改めて感じたのは、CIA(米国)の干渉・・・

2001年のニューヨーク・ツインタワービル「911」発生当時は、さまざまな「陰謀説」が囁かれました。半信半疑で聞いていましたが、今となっては自作自演説が眉唾ものでない気が濃厚にしてきます。

ことし「ニューヨーク911」が話題にならなかったのは、その後いろいろと綻びが出ちゃって、意図した国威掲揚どころでなくなり、「早く忘れてくれ」と権力筋が願ったから?

そんなことを思いつつ、9月11日をやり過ごしていたら、9月17日朝日新聞朝刊に「(世界発2013)軍政の傷、向き合うチリ クーデターから40年」という記事が掲載されました。

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デジタル版
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309160422.html

(登録(無料会員)すれば読めます。)

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「Victor Jara canta a Pablo Neruda. Poema 15」が、何を歌ってるのかさっぱりわからないのは悔しい。

そこで詩を検索しました。スペイン語です。翻訳があるかと思ったのですが、探し方がわるかったのか、見つからず。スペイン語を探して、自動翻訳しようとして英訳が見つかって・・・

この話、長くなりますので次回に・・・

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2013年7月22日 (月)

「恐るべき子供たち」 Les Enfants Terribles

出来心でフランス映画名作コレクション(10作品)のDVDを買ってしまって数ヶ月。仕事が暇なときに見ようと思いつつ、「禁じられた遊び」を見ただけでした。

本は買うと読まない、だから借りるべき、とはよく聞きましたが、DVDもそうでしたか・・・

とか、うだうだ言ってないで見ましょう。

鑑賞2作目は「恐るべき子供たち」にしました。ご存知、ジャン・コクトー原作です。

コクトー自身も映画製作をしているので、これもコクトーの映画と思い込みそうになりますが、監督はフィルム・ノワール(暗黒映画)の巨匠ジャン=ピエール・メルヴィルです。

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映画「恐るべき子供たち」( Les Enfants Terribles)1950年。

ネット情報によると、

 日本初公開は1976/08/14、 劇場公開(フランス映画社)

だそうです。はて、乙女のワタクシが見たのは1976年だったのかしらん。

「主役の二人が薹が立ちすぎ」(とうがたつ→少年少女というには老け過ぎ)という評が聞かれましたが、コクトー崇拝者の耳には素通り、吸い込まれて感動しておりました。

で、自身が薹が立つどころか茎まで枯れてきた今、改めて鑑賞すると、ああ、これは青春の一時期に深くのめりこむ映画だわ。いい年こいてくると、冷静になりすぎちゃうわ。エリザベートとポールが少年少女には見えないわ・・・

と言いつつ、若き日の自分の感動を思い出して反芻。

大人になる前の人生は綱渡りのようなものです。底知れぬ不安に向き合いながら渡りきるしかない。あるいは背中に火がついて駆け抜けなければならないかもしれない。

落ちてしまうかもしれない。

あのヒリヒリした感情を、映像にした作品でした。

視覚化ということでは、こちらもあります。

↓「恐るべき子どもたち」 萩尾望都

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セブンティーン・コミックス 1980年6月10日発行。

手元の本は1980年9月25日 第4刷。定価360円。

大好きなコクトーの作品を大好きな萩尾望都さんが描いたなら、買わにゃならんです。

映画「恐るべき子供たち」を下敷きにしているような気がします。主役の二人が年相応の少年少女として描かれている分、残酷さが際立つかも。

もちろん原作も持っています。

↓「怖るべき子供たち」 ジャン・コクトー

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角川文庫 訳者:東郷青児 昭和28年3月30日初版。

手元の本は、昭和42(1967)年11月30日 16版。定価70円。

そうでしたよね。文庫本は100円以下で買えた時代でした・・・

旧字体の旧仮名遣いが、今読み返すと新鮮です。

21ページの挿絵は東郷青児さんの作。

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(訳者の東郷青児さんは画家です。)

で、ふと思い出しました。アテネ・フランセに通ったのは、コクトーを原書で読みたかったから・・・だったかな・・・?

↓「Les Enfants Terribles」 Jean Cocteau

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Le livre de poche。表紙はもちろんジャン・コクトーの絵と文字。

いつの発行でいくらだったか分かりませんが、1976年5月18日に買ったと、鉛筆書きしていました。

で、読めたのかね・・・最初の数ページは・・・これから読むのかね・・・その方向で努力いたします・・・と、出来の悪い部下とボンクラ上司の掛け合いみたいな自己問答。

(アテネ・フランセにはもっと前から通ってましたっけ。)

おほほ、恐るべき子供たちコレクション。

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で、思い出しました。映画パンフもあるはず。あれを発掘すれば、どこで見たかも分かるはず。

ごそごそ。出てきました。フランス映画社のパンフです。

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上:表紙 下:裏表紙(ジャン・コクトー画)

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ほっほっほ。モノが捨てられない人間は、こういうもの溜め込んでいます。

で、えーと、1976年発行のバウ(BOW)・シリーズですか。ジャン・ヴィゴの「新学期 操行ゼロ」→(夏休みが終わって寄宿舎に戻ったワルガキたちのお話。操行ゼロを分かりやすく言うと、道徳科0点)と併映。

映画館はどこじゃい。岩波ホールかい。

と、ネット検索しましたら、便利な世の中ですね。

BOW JAPAN BOW CLASSICS にデータがありました。
http://www.bowjapan.com/classics/search.php?i=1&p=3

1976年8月14日  三百人劇場が封切館ですと。そういえば千石の三百人劇場、通いましたなあ。

遠い日々だなあ・・・・

で、角川文庫を再読し始めて気がつきました。

ちょこっとしか出番はないものの、重要な役回りの「Dargelos」が、東郷青児訳では「ダルジュロ」になっている。

映画の字幕は「ダルジュロス」でしたし、コミックスも「ダルジュロス」。

フランス語の最後のsは発音しないのですが、固有名詞となるとはてな? 

どっちだ?!

と映画を見直したら、字幕「ダルジュロス」なれど聞こえてくるのは「ダルジュロ」。どこから「ダルジュロ『ス』」が出てきたのでしょうか。

英語版に吹き替えられたときに定着しちゃった?

なお、映画ではこの「Dargelos」と、そっくりの少女「アガート」の二役を、女優が演じていますが、これは最初に見たときから無理があると感じていました。アガートとしては魅力的でも、謎めいたカリスマ的な少年には全く見えない。 はっきり言えば「ちんちくりん」。

今なら、大々的にオーディションして、互いにそっくりな美少年と美少女を探し出すでしょうね・・・

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2013年4月12日 (金)

首輪のない犬

首輪のない犬? → 野良犬?

字義的にはそうでしょうが、お犬様の話ではありません。古いフランス映画の題名です。

『Chiens Perdus Sans Collier』 

1955年制作、日本公開は1956年9月19日。

公開されるや、いそいそと映画館に馳せ参じました・・・わけがありません。TV放映の吹き替え版で見ました。花も不貞腐れる思春期中学生の頃でした。

見たのはこのTV放映ただ一度だけ。

なのに強烈な印象が残りました。若い恋人たちが哀しくて切なくて・・・

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名優ジャン・ギャバン主演とはいえ派手な作品ではありません。

そのためか、名画座での再上映に遭遇することもなく、見たいけれど見られない幻の映画でした。

〈“首輪のない犬"とは、親許から離れた寄るべなき子供達のこと。(略)浮浪児救済の仕事に挺身する少年裁判所判事ラミイに扮する(略)ジャン・ギャバンをめぐり、無名の新人達が好演している。〉 (解説サイトからの抜書き)

YouTubeを探してみましたが、断片的なものがあるだけ。

やっぱり幻のまま終るのでしょうか。

が。

ネットには、なんだってありぃ、の世の中です。

1ヶ月前の2013年3月11日にアップされてました。

『Chiens Perdus Sans Collier』
http://youtu.be/fgjOImFzv8w

で。

当たり前といえば当たり前ですが、字幕がない。

が、不肖ワタクシ、花も恥らう乙女の頃にアテネフランセでお勉強したことがあります。

字幕なくても分るべ、と見始めましたが、葉が多端、じゃなくて、歯が立ちません。

じぇんじぇん分りましぇん。

何十年も前の中等科中退だもんな・・・

が、大昔に見た記憶が結構鮮明です。こんなこと言ってるんだろうと推測しながら、1時間半、見てしまいました。うむ、やっぱりよいのう・・・

もう一度フランス語を勉強すれば、もっとよいのだな・・・

(と、できもしない妄想を)

映画『首輪のない犬』が懐かしい方、今ならパソコンで見られますよぉ。

見たことないけど、見てみたい方は、粗筋読んでから見るという手がありますよぉ。

粗筋はこちら↓「Movie Walker」
http://movie.walkerplus.com/mv13520/

古きよきシャンソンがお好きなら、主題歌はこちら↓。
ジャクリーヌ・フランソワですよぉ。
Jacqueline François - Chiens Perdus Sans Collier
http://youtu.be/nQtgcNFjrhk

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2012年10月12日 (金)

キネ旬774のシュールな映画

本棚から「キネマ旬報 創刊60周年記念特別号 1979年11月下旬号 No. 774」が出てきました。

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古いものを後生大事にとっておく貧乏性・・・ではなくて、古書店の100円均一で見つけたものです。

目玉記事が「キネマ旬報ベスト・テンと映画史」で、1924~1978年の「日本」と「外国」映画のベスト10を掲載しています。昔懐かしい人には面白い企画です。

196頁の「外国映画批評」に面白い記事がありました。

出演ヘルムート・ベルガー、イングリット・チューリンときいて、ルキノ・ヴィスコンティ「地獄に堕ちた勇者ども」と反応するのは往年の洋画ファン。

実在のクルップ鉄鋼財閥とナチスの関係、一族の醜聞を題材にしたといわれています。退廃美の極みみたいな、「お耽美」好きにはたまらない映画でした。

が、映画批評でとりあげているのは、ヘルムート・ベルガー、イングリット・チューリン出演なれど「地獄に落ちた勇者ども」ではありません。

黒田邦雄さんが書いているのは、監督ティント・ブラスによる原題「Salon Kitty」について。

Salonkittymqdefaultcamcqxzi

公開時の邦題は恐ろしくて書けません。あんまりなタイトルなので、ビデオ版では「鉄十字の愛人」、DVD版では「サロン・キティ」に変更されています。

と言いつつ書いてしまおう。「ナチ女秘密警察○○○親衛隊」。あんまりだ・・・

黒田さんの評を一部引用させていただきます。

〈三島由紀夫は「地獄に―」を評して“正にミイラ取りがミイラになる程、ナチスの時代の「嫌悪に充ちた美」を再現しているのである。”と書いているが、ヴィスコンティがオペラ好きのミイラなら、ティント・ブラスはパンクロックのミイラというべきか。全編こんなに浮かれていいのかな、と柄にもなく殊勝なことを考えてしまう程、頭から尻尾までナチスの〈美〉がぎゅうぎゅう詰まっているのだが、その割に胸焼けしないのはキャンプなフィーリングのせいだろう。〉

全編引用したいくらい面白い評なのですが、著作権ナントカにひっかかります。

(キャンプなフィーリング、というのがわかんないんですけど。)

とんでもないタイトルがついたのは、一般の映画館じゃなくて当時盛んだったポルノチェーンで公開されたからです。(しつこいけど、あんまりだ・・・)

原題「Salon Kitty」でYouTube検索するといくつか出てきます。最初のほうだけ見ましたが、おお、お耽美の少々悪趣味の物好きにはたまらない色彩の氾濫する映画です。

リリアーナ・カヴァーニの「愛の嵐」にも通ずるものあり。

お耽美退廃美好きなら見とかなきゃ。レンタルショップで借りるか・・・

で、終わってしまってはいけません。黒田さんはそもそもこんなことを書いています。本題はこっち。

〈ポルノチェーンで公開される映画は、まず闇から闇へ葬り去られるのが運命で、使いすての娼婦の如き存在である。まだしも邦画なら眼を光らせている輩が結構いて、妻の座にたどりつくことなきにしもあらずだが、洋画とあればまず絶望。数年前にもジャック・スカンドラリという25歳の青年監督がサドの「閨房哲学」を映画化した「淫蕩の沼」というフランス映画があったが、これがレオノール・フィニーハンス・ベルメール的なシュルな感覚でサドの世界にもぐり込もうとした痙攣的な美に満ちた映画で、たっぷり楽しませてもらったのだが、あのフィルムなどどうなっただろうか。今一度見たいものだが。〉

もう一度見られますよ、黒田さん。

(それにしても、70年代頃の男の人って、物事を娼婦に喩えるのが好きみたいですね・・・)

原題「LA PHILOSOPHIE DANS LE BOUDOIR」でYouTube検索すると英題「Beyond Love and Evil」が出てきます。

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見ましたよ、いやあ、フェデリコ・フェリーニとピエル・パオロ・パゾリーニを足して2じゃなく3で割って横すべりしたような、まさに1970年頃のシュールな映画でした。

たった40年前の映画なのに、異世界の観あり。

この映画の評をネットで探していたら、「最低。それ以外に言葉はない。」というのが出てきました。

世界観が違えば理解しがたい最低映画ではありますけどね・・・

ワタクシはハンス・ベルメールやレオノール・フィニー、好きなものですから・・・

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2012年9月28日 (金)

「奇跡」の映画

あぶないあぶない、また週末が仕事で潰れるところでした。

それはたまらん、と3日程必死になって仕上げて本日納品してきてホッ。

お仕事いただいたら日曜祝日関係ない自営業の宿命ですけど、あーっ、空から大金が降ってこないかな~

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奇跡の映画2本。ただし、古~い映画です。

1.

『奇跡』原題:Ordet 1955年 デンマーク。

監督 カール・テオドア・ドライヤー(Carl Theodor Dreyer)

Ordet (1955) - trailer (予告編)
http://youtu.be/-uQEPjRog84

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どこかの名画座、もしくは岩波ホールで見ました。

監督をカール・テオ・ドライヤーと覚えていたのですが、「テオドア」でした。

題名通りの「奇跡」の映画ですが、予備知識なしで見て、「そんなのありか」と唖然としたことを覚えています。

それをここでばらしてしまうのは反則。

古い映画がお好きでしたら、どうぞ、ご自分で確認なさってください。

勿論白黒ですが、不思議に色を感じさせる画面だったような記憶があります。

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2.

『汚れなき悪戯』原題:Marcelino Pan y Vino(マルセリーノ パンとぶどう酒)

1955年 スペイン。

TV放映で見たはずです。

こちらはすんなり「奇跡」を楽しめました。

映画を見ていなくても、ある年齢以上の人なら、この歌をご存知では。

マルセリーノの歌(日本語版) La Cancion de Marcelino (in Japanese)
http://youtu.be/1hN7AhNtzcQ

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マルセリーノの歌
http://youtu.be/eh26iGs9a_A

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歌スペイン語版
WILMA BENTIVEGNA - MARCELINO PAN Y VINO
http://youtu.be/yKs1tXqYe4c

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映画スペイン語 Marcelino Pan y Vino
http://youtu.be/AgMofmXzYbk

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The Miracle of Marcelino
http://youtu.be/n24rrPq88zs
英語 字幕はアラビア語

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Marcelino Pao e Vinho (Dublado) ポルトガル語?
http://youtu.be/2dka0N5pP6Q

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ただただ懐かしい・・・

(1991年にリメイクされていますが、やっぱり1955年版でないと気分がでない・・・)

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2012年9月 6日 (木)

日傘その後

破れ日傘を修理したのは1ヶ月前のことです。

すぐにでも新しいのを買いに行くつもりでしたが、なにしろ暑くって暑くって路上で遭難しそう・・・

ずるずると日が過ぎまして、はっと気づきました。

物事を中途半端な状態でほっておいてはいかん。運気が逃げていく。すたこらさっさのさ~

買いましたよぉ。

Pinky & Dianeの折りたたみ日傘。ピンク。縁に豹柄のテープ付き。

ぶっ

と自分で吹いててどうする。

ピンクにもいろいろあります。灰桜色です。淡いピンクに灰を混ぜたいい色です。

豹柄のテープだって、幅1センチですからよおく見なければ分からないし。

Pinky & Dianeはギャルブランドだと、以前バッグを買ったときに同居人に言われましたが、いいぢゃありませんか、おばちゃんが少しくらいケバくなったって・・・

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意外と地味でしょ。うふふっ。

吉祥寺のデパートで買いました。セールやってて、黒とか紺とか茶とかあったんですけどね、おばちゃんはね、綺麗な色にしないと全体がくすんでしまうのですよ。

一級遮光生地使用で、遮光遮熱UVカット。

安くてよかったと、お家に帰ってネットの通販サイトをみたら・・・おんなじ値段で売ってました。デパートのセールとは、ネットの通常価格と同じにする、という意味なのですね。送料がかからないから、トータルではお買い得でしたけど。

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実はデパートに行く前にもネットで調べました。

安いものが一杯ありまして、レビューも高評価だし、それでいいかと思いかけたのですが、実物を見ないで買うのは危険危険、と脳内警報が鳴り響きます。

レビューを書いてるのが男の人ばかり。なぜ?(この段階で気づけ)

サイズ60センチとありました。60センチってなんだ?直径60センチなら小さいぞ・・・

傘骨の長さでした。が60センチはでかいのか小さいのか。

手持ちの傘を測ってようやく60センチは大きい、と気がつきました。

早まって通販で買わなくて良かった・・・

↓アマゾンで「日傘」で出てきた60センチ。

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で、話は男性用日傘に移ります。

通販レビューにもありましたが、男性が日傘をさすのはちょっと恥ずかしい、という風潮があります。

先日の新聞の投書欄には、日傘をさすことにした男性の決意が載っていました。

つまり現状では、男性が日傘をさすのは、一大決心を要することらしいです。

けどね、昨今の日射は尋常ではありませぬ。万人に等しく日光が「痛い」のです。

日傘さすべし。

昔見た映画で、大英帝国の美男俳優ヒュー・グラントがさしてましたよ。

http://www.bollywhat-forum.com/index.php?topic=21144.0

Picture611

ベンガルの夜 La Nuit Bengali 1988年【仏・西独】 

Lanuitbengali

(↑この画像の元サイトcinema songsページがなくなってます。)

インドにやってきたイギリス人技師がお金持ちの娘と恋をして、たしか結ばれなかった話。

デートの場面で、お嬢さんは直射日光へっちゃらなのに、イギリス人はずっと黒い傘をさしていたのが印象に残ってます。

その昔インドを支配した大英帝国の男性が、被支配国であったインド人に雇われその娘に恋をするも身分違いで結ばれないという、真剣な恋の話なんだか大英帝国を皮肉ってるんだか、いろいろ錯綜していたような気がします。(よく覚えていません)。

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