物体瞬間移動
SFではワープというようです。
そこに置いたはずの物が次の瞬間に消え失せている。
そこいらじゅう探しまくってもない。ない。ない。
ワタシには今のところ年に2~3回起きますが、晩年の母には日常茶飯事でした。
さっき外したばかりの入れ歯が消え失せている。座卓の上に置いた老眼鏡がない。役所からの重要な通知を郵便受けから持ってきて・・・ない。あれがない。これがない。
ほとんどが自分で動かしたりしまったりしたものですが、その記憶がすっぽり抜けてしまっている。
入れ歯がなくては困るだろう、と作り直しました。しばらくして庭の植え込みに引っかかっているのが発見されました。
「悪い人がいる」と母は言っていました。すなわち、自分を困らせようとして入れ歯を庭に捨てたのだと。
果物の皮などの生ごみを、母は肥料になると庭に埋めるのですが、晩年には投げ捨てるだけになりまして、入れ歯も果物の皮と一緒に投げてしまったと推察されるのですが、本人に記憶がないので、「悪い人がいる」と被害者意識増大・・・
思えば、母に5年先だって亡くなった父の葬儀の時から母には物忘れの徴候がありまして、披露する予定の弔電をどこかにしまいこんで行方不明、仕方なしキョウダイで雁首だか鳩首だか揃えてでっち上げましたっけ。
あれやこれやで、父の葬儀は笑い話レベルの椿事多発でした。それもよきかな。
で。
昨日自宅で物体が瞬間移動しました。
ボタンを付け替えようと、洋服ダンスの下段からボタン入れを出して、これと思ったボタン袋を出して、洋服ダンスの扉を閉めて、作業用テーブルに置こうとして、電話が掛かってきて、テレビのそばだったので、寝室に移動して「もしもし・・・・はい分かりました」
さあ、ボタンを付けましょ・・・ない。作業テーブルにはない。記憶をたどると、ボタン袋を持ったまま寝室に行った気がする。ぽっと置いた気がする。
可能性のある位置には見当たらない。ない。ない。
探しまくりましたよ。ゴミ箱に入れてないか。新聞紙入れに広告と一緒に入れたか。無意識にバッグに入れたか。隙間に落ちていないか。
どこにもありません。いたずら好きの妖精でもいるのかい。
経験上、忘れた頃に思いがけない場所から出てくることは分かっています。探してばかりはいられません。捜索は断念します。
が、意識の隅っこの崖っぷちに落ちそうで落ちないけど落ちるかもしれないモノがぶら下がっているのは気分が悪い。
物の気(怪)に後ろ髪を引っ張られつつ仕事場へ行って気になって、昼休み自宅へ戻って探して見つけられず・・・夜自宅へ戻って探してやはり見つけられず・・・
きっぱり諦めましょ。
探している時間が無駄。本読みましょ。
ベッドサイドに積んである本を持ってきましょ。本は机で読まないとね。
へ?
2冊持ち上げたら、その下から出てきたではありませんか。失せモノが。
記憶の「袋を持って寝室に行きベッドサイドに置いた」は正しかった。ただ直後に「そこへ2冊本を乗せた」の部分が抜け落ちてしまった。で、いくら探しても見つからなかった。
うーん。
どうしましょうね・・・
↓この本の下敷きに。
光の具合で表面が琥珀色に見えますが、右端と同じパール質です。
別のボタンをつけちゃったので、しばらく用無し。
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