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2014年8月28日 (木)

ねにもつタイプ

いきなり秋になっちゃいましたね。涼しいを通り越して冷涼、10月頃の気温だとか。猛暑はまたしぶとくぶり返すでしょうけど。

炎夏真っ盛りの数日前は、さすがの朝顔もしおれて花数が少なくなっていましたが、昨日今日と仕事場では大開花です。60くらいまで指差して数えましたが、それ以上は目分量で約100個ということで。

↓空に向かって一斉に叫んでいます。今日も涼しいぞ~虫ぃ、はよ来いや~

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面白くもなんともない写真です。

全体が撮れれば、わさわさした雰囲気が伝わるかもしれませんが、古いデジカメしか持ってきませんでした。

↓こっちは近すぎてピンボケ。破れ朝顔多し。

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自宅の、蒔くたびネズミにかじられ出遅れた朝顔も数日前ようやく咲き始め、一気に遅れを取り戻さんばかりのぼこぼこ開花。楚々という雰囲気ゼロ。ちっとは風情というものが欲しいよのう。

↓25日のです。今はもっとわっさわっさ咲いてます。

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奥のエアコン室外機の上に何か乗ってます。かぼちゃの種です。買ってきたかぼちゃがよく熟していて立派な種が採れたので、屋外乾燥しています。来年蒔きます。

が、翌日気づいたら、ネズミにかじられていました。おのれ~

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で。

ワタシ、あっけらかんを装ってますが、実は根に持つタイプです。

というのはジョーダン。

あれもこれも気楽に忘れてしまうタイプです。(←究極のウソ)

『ねにもつタイプ』(筑摩書房 2007年1月20日) は翻訳家の岸本佐知子さんの本です。

翻訳家が翻訳した本ではなく、翻訳家が書いたエッセイです。

翻訳家の書く話は面白いのです。金原瑞人さん(ひとみさんのお父さん)しかり、米原万里さんしかり、なんでこう面白い話を書くのでしょう。あ、米原万里さんは通訳でしたね。

金原瑞人さんは、一冊くらい訳書を読まなくちゃ、と思いまして、『逃れの森の魔女』を読みました。ヘンデルとグレーテルの、魔女側の諸事情の話です。

面白かったのですが、やっぱり金原さんの書く話の方が面白い。

で、岸本佐知子さん。これまでに

『気になる部分』

『ねにもつタイプ』

『なんらかの事情』

と3冊を出しています。

3冊とも、なんというか、微妙にずれているというか横滑りしているというか、しかし、そのズレ具合が実に心地よい(と思います。)

『ねにもつタイプ』を例にとると、25ページの「じんかん」

少々引用します。

それまで気にもとめていなかったことが、突然どうしようもなく変に思える瞬間がある。〉

という書き出しで、小学校の朝礼の時、うつむいて自分の体を見ていたら、肘の付き具合が間違っているのではないかと思い始めて、恐ろしくなったり。

別の時には、鼻の存在が気になりだし、集中できなくなり

〈こんなところにこんな出っ張りがあるのは、設計上の欠陥としか思えない。〉

妹と二人で部屋にいる時、

〈ふいに「妹という存在」に愕然となったこともあった。〉

中略

〈私は初めてみるもののように妹を見た。〉

この変な感覚は長続きはしないけれど

〈この「変な感覚」が訪れると、偏光ガラスを傾けたように、世界が変に見える。自分が自分でなくなるような、落ちつかない気持ちになる。〉

大人になってからは少なくなったが、ときにこの感覚に襲われる。

〈まず「人間」という字が読めなくなる。〉

じんかん? (←タイトルね)

と、いろいろ変だ不気味だと書いてます。

そして、

〈そうやって私を取り巻くすべてのものが、ゆっくりと意味のない記号に還っていく。自分と世界をつなぐ糸がプツプツプツと切れていき、ついに最後の一本も切れて、私は命綱の切れた宇宙飛行士のように、暗い広い宇宙空間を独りぼっちで遠ざかっていく。〉

うんうん、そうです、ワタシも子供の頃そうでした。

そして、

〈その感じを、私はそんなに嫌いではない。〉

ワタシもそんなに嫌いではない(=好き)です。

ネット評を見ると、

「普通の人はこんなこと絶対に考えないよなあということのオンパレード」

というのもありましたが、うーん、ワタシはこのたぐいのこと考えましたよ。

ワタシもずれていたということですか。

人間(じんかん、じゃなくて、にんげんとお読みください)て、みんな少しずつずれてるんじゃありませんかしら。

ただ、おばちゃん化した今は、めったなことではずれの谷間に落ちることはなくなっちゃいましたけど。

残念といえば残念ですけど、穏当な常識人として生きていかなければならない立場ですからね、人生が楽になったといえば楽になりました。

ああ、でも、岸本佐知子さんの脳内は面白そうだな・・・

新しい本が出ないかな・・・

『ねにもつタイプ』は

「ホッホグルグル問題」(読経がズンドコになってしまう話)

「べぼや橋をわたって」(小学生の頃住んでいた世田谷の何それ?話)

とか面白い話がいっぱいです。いや、全編が面白い話です。

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忘れてました。訳書も読みました。

『居心地の悪い部屋』(岸本佐知子編訳 2012年3月 角川書店)。

ガラスを爪でひっかいてるような音が脳内に聞こえる、面白くも居心地の悪い本でした。

いや、居心地悪くも面白い本だったのかな。

やっぱり、岸本さん本人の文章のほうが面白い・・・

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