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2013年9月 5日 (木)

『なぞの1セント硬貨』

『なぞの1セント硬貨 真実は細部に宿る in USA』 
向井万起男 講談社2009年2月20日

130829mukai

著者の向井万起男さんは、(奥付によると)慶応義塾大学医学部準教授、病理診断部部長。つまりお医者さんですが、日本女性初の宇宙飛行士、向井千秋さんのだんな様として知られています。

テレビで見たことある人、多いと思います。おかっぱ頭でひげ面の、ちょっと怪しい雰囲気のおっさんです。

悪口じゃなくて、本人自身が認めています。

「私の顔を見た人は普通、私のことを医師ではなくテロリストみたいだと言います」

と何気なく書いたら、アメリカのあるホームページに載せた顔写真にそのまま付け加えられた。(189ページ)

始めから終わりまで、アメリカに関する、普通の人なら知りえない可能性大の、とにかく面白い本です。全部で15話。

題名になっているのはスチール・ペニーの話です(「プロローグ」)。以下要約。

クリスマス・イブにアメリカの国内線飛行機に乗っていた向井夫妻。スチュワーデスが明るい声で機内放送をしました。

みなさ~ん、ファーストクラスのシャンパンが1本あまりました。エコノミークラスのお客様にプレゼントします。

ついては、一番古いペニーをお持ちの方に差し上げます。さあ~、確認して下さ~い。

機内がガヤガヤするなかで、ある男性がガッツ・ポーズをとり叫びます。

「いただきだ!」

が、その男性、財布の中を調べようともしない。なぜ?

「スチール・ペニーを持ってるんです!」

「おお、そうかい、それじゃ間違いなく君のものだ」と近くの退役軍人が納得してしまいます。

鍵は「スティール・ペニー」。なんだ、それ? 

現物を見せてもらいましたが、その後が万起男さんの本領発揮。帰国後、あちこちにメールを送りまくり調べまくります。

この「メール送りまくり・調べまくり」がこの本の根幹をなしています。疑問をもっては徹底的に調べる・・・

「第9章 キルロイ伝説」で、あっと思いました。長いことワタクシの意識のどこかに引っかかっていた米兵の落書き「Kilroy was here」(キルロイは来たぜ)を、万起男さん、調べていました。

調べて調べて、「Rosie the Riveter」(リベット打ちのロージー・女性)まで発掘し、さらには「キルロイ伝説」なるサイトに新伝説を作り上げて投稿、伝説(7)として掲載されます。

この時、顔写真とともに、前述の「私の顔を見た人は普通、私のことを医師ではなくテロリストみたいだと言います」というコメントも載せていいかと聞かれ、特に断る理由もないからとオーケーし・・・

そのサイト検索してみました。

トップページは星条旗だらけで、一瞬ぎょっ。
http://www.kilroywashere.org/

該当ページを見つけるのに迷いましたが、上部のVolume 1をクリックすると、別ページが開き、その画面をスクロールすると、7番目に

Mukai, Makio — Legend 7とあり、クリックすると・・・ありましたっ、写真付、"Some people usually say that I look like a terrorist, not a doctor..."のコメント付。
http://www.kilroywashere.org/001-Pages/01-0KilroyLegends.html#Legend7

面白い本でした。

以下に目次と簡単な紹介。

プロローグ(上に書きました)

第1章 14という奇妙な数字
(14年間合衆国住民でないと大統領になれない。なぜそんな半端な年数?)

第2章 巨大な星条旗
(アメリカのトヨタ販売店はなぜバカデカイ星条旗を掲げている?)

第3章 空を見上げたポパイ
(巨大なポパイ像を見に行ったら、「キャンプ」があると言われて)

第4章 い~い湯だなin USA
(アメリカのシャワーヘッドはなぜ動かせないのか?)

第5章 黒い革ジャンの少年たち
(名リーガー、ハンク・アーロンの野球場を地元住民は知らない)

第6章 100万匹わんちゃん
(不要なペットは道路でひき殺される?)

第7章 制服を着ている人々
(スタッフが制服着ない陽気な航空会社)

第8章 シンデレラの暗号
(アメリカのパック売りは安くない。デパートのセールのお値打ち品を見分けるには・・・)

第9章 キルロイ伝説(上に書きました)

第10章 マクドナルド万歳!
(トイレをただで使えます・・・)

第11章 勝手にしやがれ
(アメリカは広い。が、一つの州の中に複数の時間帯なんて)

第12章 ヒューストン市警の対応
(交通事故を起こしたけれど、警察は忙しいから自分たちで解決しろって・・・)

第13章 オザーク高原のイエス・キリスト
(反ユダヤ主義の政治家が建てた巨大なキリスト像はヤケに真っ白)

第14章 ニューヨーク市への忠告
(自由の女神像はニュージャージー州にある?)

第15章 修道士からの手紙
(アメリカにはパルテノン神殿だってピラミッドだってエッフェル塔だってある)

エピローグ (テキサスの貝殻)

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昨9月4日、悪天候は竜巻となって栃木県に被害をもたらしました。

夜、東京地方も雷が鳴り響き、今日9月5日の朝、京王線が落雷により止まっていました。

朝8時頃には地元市には雷交じりの激しい雨が降りました。雨の降り止んだ時間を狙って仕事場に来ましたが、天候不安定。10時過ぎには一部青い空も見えますが、どうなりますことやら・・・

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コメント

向井さんとマイマイさんが重なりました。

それにしても、次から次へと、面白い本を紹介して下さいますが、
本に呼ばれるんでしょうか?

投稿: kiri | 2013年9月 5日 (木) 21時07分

本に呼ばれる?
はい、確かに「コレヲヨメ」と書棚から呼ばれている気がします。
一種のヲタクゆえ・・・
 
時々、書を捨てよ町へ出よう、なんて言葉に浮かれて徘徊いたします。
あ、寺山さん読まなくちゃ・・・

投稿: マイマイ | 2013年9月 6日 (金) 09時37分

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