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2013年2月13日 (水)

あのう、違うんじゃないかと・・・

「家庭の味 手作り食品 -添加物無しの安全食品で健康作りを-」

という本が手元にあります。

(東城百合子 あなたと健康社 昭和55年(1980年)5月1日発行)

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うどん・パンから始まって漬物・味噌類~幅広く手作りの方法を書いています。

が、著者本人が前書きで

〈急な事で不備の点も多いのですが〉

とお書きになっているように、校正段階での小さな疑問が散見されます。殆どが内容に影響のないものですが、あれえ?と思った記述が1箇所。

20ページの「なべ焼きパン」の項。

〈 市販のパンに使われているのは大抵ドライイーストですが、このイースト菌は健康のためによいものとはいえません。

 厚生省の配合例をちょっと御紹介しますと、臭素酸カリウム0.27・硫酸カルシウム24.93・塩化アンモニウム9.38・食塩24.93・澱粉40.47という配合比率です。つとめてよいものを使ってゆくためにはやっぱり努力が必要です。

 そこでイーストを使わないで作れるパンを・・・(略) 〉

ドライイーストは乾燥酵母のことです。

著者がお書きになっている成分はイースト菌じゃありません。

最初に読んだときにはベーキングパウダーの間違いかな?と思いましたが、主成分となる重曹が入っていません。

今回、念のためネット検索しますと、

東京ガス 「重曹」と「ベーキングパウダー」の違い
http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/shokuzai/140.html

◆ベーキングパウダーの機能と成分 から成分のみ引用

〈重曹(炭酸水素ナトリウム)、酒石酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、フマル酸など、コーンスターチ、小麦粉など〉

やはりベーキングパウダーではなさそうです。では何?

「イーストフード」に行き当たりました。

(改正後全文)食品衛生法に基づく添加物の表示等について
(平成22年10月20日消食表第377号)
最終改正 平成23年8月31日消食表第378号
消費者庁次長から各都道府県知事,保健所設置市長,特別区長宛
http://www.ffcr.or.jp/Zaidan/mhwinfo.nsf/5bcb1018b0c4e33d492565f0000dd9b3/d829766921f9882c4925790a0006e59e/$FILE/%E5%88%A5%E6%B7%BB%EF%BC%88%E6%AC%A1%E9%95%B7%E9%80%9A%E7%9F%A5%E5%85%A8%E6%96%87%EF%BC%89.pdf

別紙4
各一括名の定義及びその添加物の範囲
イーストフード
(1) 定義 パン,菓子等の製造工程で,イーストの栄養源等の目的で使用される添加物及びその製剤。
(2) 一括名 イーストフード
(3) 添加物の範囲 以下の添加物をイーストフードの目的で使用する場合
 塩化アンモニウム  塩化マグネシウム
 グルコン酸カリウム  グルコン酸ナトリウム
 焼成カルシウム  炭酸アンモニウム
 炭酸カリウム(無水)  炭酸カルシウム
 硫酸アンモニウム  硫酸カルシウム
 硫酸マグネシウム  リン酸三カルシウム
 リン酸水素二アンモニウム  リン酸二水素アンモニウム
 リン酸一水素カルシウム  リン酸二水素カルシウム

(東城さんお書きの成分「臭素酸カリウム」は毒性が強いとして、パン以外は使用禁止、パンでも使用が自粛されましたが、最近一部メーカーで復活しているそうです。)

「イーストフード」と「イースト」を取り違えた?

一般家庭ではイーストフード抜きでパンを作ります。

メーカー製のパンを問題にする方は添加物の塊のような「イーストフード」を危険視するからなのですが、イーストフードを使わないメーカーもあるようです。

とにかく、記載の「イースト菌」の「配合例」のところで、「大丈夫か、この本?」と思ってしまったのは事実です。

著者の言いたいことは、「酵母を自分で起して安全なパンを作りましょう」であって、イーストフードの成分云々ではないのですから、こだわることではないのでしょうが・・・

「安全な食品を」という意気込みがつまらないことで足を引っ張られるのは惜しいことです。

ワタクシの持っているのは、平成5年(1993年)7月15日発行、63版です。ここまで版を重ねて訂正されていない・・・

その後の版で訂正されているのでしたら、それこそ「余計なお世話」ですが・・・

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コメント

おお、天下の東條百合子先生もそんな間違いを?! イーストとイーストフードを混同している人は未だに多いのではないかと思います。Big-Aではイーストフードを使っていない食パンを扱っていて、それが又美味しいのです。

投稿: PM2.5 | 2013年2月13日 (水) 14時48分

この本の最新版を確認したいと思いつつ、図書館になし、街の本屋さんになし・・・
ネット注文ならできるけれど、訂正されているかの確認のためだけに買うのもナンだし・・・
Big-Aのパンはそんなに美味しいのですか・・・

投稿: マイマイ | 2013年2月13日 (水) 15時16分

この装丁はワタシ好み、内容も面白そうなのに、そんな疑問点があるなんて本当に惜しいですね。

投稿: もな | 2013年2月14日 (木) 08時56分

もな様。
ちょっとレトロなデザインが逆に新鮮な装丁ですね。
今から30年ちょっと前に書かれた本なので、当時はイーストに関する知識があまり普及してなかったのかな・・・とか。
基本的には「安全な食べ物を」という内容です。

投稿: マイマイ | 2013年2月14日 (木) 13時38分

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