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2012年12月20日 (木)

出会い頭、またはデコ頭

出会い頭は「事故」などの枕詞、じゃなくて接頭詞、じゃなくて、単に「出会った途端」のこと。

交差点で初めてお会いした対向車などに時候の挨拶する暇もなく、グワッシャーンといっちゃったりします。

デコ頭とは、いま流行のデコデコヘアの盛り髪のこと、じゃなくて、でこっぱち頭のこと。

それがどうかしましたでしょうか・・・

ワタクシ、本を読むのが好きです。

読む本がどうしても偏ります。

人間が偏っているのが最大の理由ではありますが、それとは別に本との出会いは案外限られているからでもあります。

図書館に行っても、結局いつも似たような本ばかり借りてきます。書店をマメにチェックしても限りあるし・・・

もしかしたら、もの凄く面白い本を知らないのでは・・・ひょっとして大損こいている?

(物事を損得で考えるのはいい加減やめましょうね。←自戒)

ところで。

読書の最大の楽しみは、何を読もうかな、と探している過程にあります(と思います)。

(映画は予告編が一番面白いのと同じ・・・)

で。

借りて(買って)帰っておうちで開いてみたら、なんだかつまらない・・・のもしばしば。

最近は見切りが早いですよ。つまんない返しちゃえ(売っちゃえ)・・・って。

人生の持ち時間の残りが見えつつあるんですもん。

ですが。

面白い本とは、向こうから飛び込んでくるもんですねえ。

ぜんぜん予想してなかった本との出会い頭の運の尽き、じゃなくて運命的な邂逅。

先日美術書の棚にありましたですよ。

「偏愛ムラタ美術館」 村田喜代子 平凡社 2009年11月18日

村田喜代子さんは作家です。美術評論家ではありませんが、それゆえ逆に、面白いものも無味乾燥に干からびさせる専門家の硬直した解説(多いんですよぉ)とは違った、報復絶倒、じゃなくて抱腹絶倒の絵画解釈が楽しめます。

この本のトップが「ゴッホの浮世絵」です。ゴッホは日本に憧れて浮世絵を模写しておりますが、

(11ページ)(広重の「おおはしあたけの夕立」の模写絵について)

〈ゴッホは浮世絵の軽みを描けないからどうやっても絵画なのである。しかも変な絵画なのだ。何というか、浮世絵以上……、油絵未満、とでもいうような、正体不明の絵画である。〉

もっと変なのが

(13ページ)(渓斎英泉「雲龍打掛の花魁」の模写絵について)

〈仰天するのは花魁の絵の背景が真っ黄色なことである。広重の浮世絵もよく黄色を用いるが、何しろゴッホの黄色なのだから毒々しいほど猛烈だ。そして絵の枠の外にも、これまた風情を薙(な)ぎ倒す黄色い水草の生い茂る沼みたいな池が描かれ、ぼってりした蓮の花が咲き、浮世絵の儚(はかな)げな生きものとは似ても似つかぬガマガエルが棲息しているという按配なのだ。〉

そのガマ↓

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艶やかなはずの花魁の裾でガマが2匹談判中。悪代官みたい・・・

渓斎英泉「雲龍打掛の花魁」の絵は、千葉市美術館の展覧会情報に小さくあります。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2012/0529/0529.html

ゴッホの花魁は「サルヴァスタイル美術館」サイトで大きな画像が見られます。
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/gogh_figure.html

「偏愛ムラタ美術館」 の表紙には「ブールデルのレダ」が使われています。絵の素性を知らなければ、おとなし目のただのカバー絵なんですけどね・・・

で、村田喜代子さんの骨董を扱った新聞連載小説「人が見たら蛙に化れ」が面白かったことを思い出しました。他の作品も面白いに違いない、と借りてきたのが

「ドンナ・マサヨの悪魔」 文芸春秋 2009年5月15日

出来ちゃった婚の娘夫婦が同居することになった「ばあさん(娘のお腹の中の生きものがそう呼びかける)」の一見平凡な日常は、アクマの深遠な話とかみ合うようなとことんすれ違うような・・・

で、カバーがですね、マーク・ライデンでした。おおおっ。ちょっと見はブライス人形のような可愛いデコッパチ頭の絵を描く人です。ちょっと見はね・・・

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↑これは部分。裏表紙が全体に近い画像なのですが、バーコードあり図書館の所蔵シールありで、鑑賞には不向き。

だもんで、画集を借りてきました。

「不思議サーカス」 マーク・ライデン(Mark Ryden) ピエ・ブックス 2006年3月14日

121219megami

74ページ「創造の女神」 (The Creatrix)。

以前マーク・ライデンを見たときはそれほど好きではなかったのに、うーん、いいですなあ。

複製画でいいから(というより本物が買えるわけない)欲しいなあ・・・

ですけどね、この絵を見て「あら可愛い」と画集を買ってはいけませんよ。確かに一見可愛い。が、毒がたっぷり溢れています。「人間の善意」という無邪気なものに対する冷ややかな悪意という毒が。無垢なる悪意があるとすれば、この画集に凝集されています。

免疫のない方にはお勧めできませんし、まして子どもへのクリスマスプレゼントにしてはいけません。うなされるだけではすみませんよ・・・

と、脅しておいて、ツラの皮の厚いおばさんは、関連図書をネットで探します。

あるんですよね、一見可愛いけど、それ以上のなにか、というものが。

これ↓なんか欲しいです。

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「Animal Love Summer」 Marion Peck

これも一見可愛いのですが、どういう内容でしょうかしら。

Marion Peckのサイトを見ると、マーク・ライデンといい勝負ですよ・・・

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コメント

へぇ~~、へぇ~~、
φ(..)メモメモメモ

投稿: kiri | 2012年12月20日 (木) 18時11分

もしもしkiriさま。
読んで毒が回っても知りませんよ・・・
( ̄○ ̄;)!

投稿: マイマイ | 2012年12月22日 (土) 16時27分

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