« ムラサキシキブの混乱 | トップページ | 全国大陶器市 小金井公園 »

2012年10月 4日 (木)

戦場のランバダ

仕事に押しつぶされているうちに10月になり秋になっていました。

やっと納品したら引き換えに次の仕事がはいりました。今度の連休の丸潰れ決定。

くーっ・・・

--------------------------

まず、少々引用を。

不肖・宮嶋の ビビリアン・ナイト 上 爆弾ボコボコの巻』 
宮嶋茂樹 祥伝社 平成19年8月5日

〈 そして、私は寝不足の夜を迎えるのであった。遠くに爆音を聞きながら眠りに落ち、爆発音で目覚める。一晩のうちに何度もそれを繰り返すのである。 

 爆音や爆発音には慣れてしまったが、さらに眠りを妨げるのが車のセキュリティー・システムである。空爆の衝撃が地面を伝わり、車を激しく揺する。するとアラーム・システムが装備された車は、それを盗難と判断してしまう。お抱え雲助を抱えた同業者が何百人も泊まっているホテルである。ホテルの駐車場どころか、玄関回り、付近の道路にビッチリ車が停まっているのである。それらが一斉にピーピーと不快な電子音を響かせるのであった。

 この可愛げのない音が一五階まで飛び込んでくるのやから、たまらん。ひどいのは、警報があの「ランバダ」のメロディーなのである。〉(377ページ)

121004miya1

時は2003年3月27日、場所はイラクはバグダッドのパレスチナ・ホテル。

笑う話ではないですが、その情景が脳内に広がり、思わず吹きました。

著者のカメラマン宮嶋茂樹さんはそういう人です。こんな調子で、しかし的確に、とんでもない危険を伝えています。数々の修羅場で生き残る判断のできる人なのだと思います。

バグダッドのパレスチナ・ホテルはジャーナリストの拠点となり、バグダッド陥落を世界中に伝えました。

そのパレスチナ・ホテルで2003年4月8日に何が起きたか。

不肖・宮嶋の ビビリアン・ナイト 下 砲弾ドカドカの巻』 
宮嶋茂樹 祥伝社 平成19年9月5日

121004miya2

173ページからの「15.戦車砲弾にブッ飛ぶ!」に記述があります。

米軍対地攻撃機A-10サンダーボルトの激しい銃撃音で目が覚めた宮嶋さんは、「国土計画省」が火花を飛び散らせているのを目にします。

まもなく本格的市街戦が開始される・・・

ここで不覚にも「何をしたらいいのかサッパリわからん」状態になり42歳のオノレの限界を悟るが、すぐ「なんとか乗り切るしかない。そして、きっと生きて脱出してやる」

そして大統領宮殿、国土計画省、共和国橋に面して米軍M1戦車の壮絶な戦闘が見える部屋に移動する。

その部屋は特等席であるが、M1戦車の射程内でもあった。

夢中になって写真を撮っている最中に、共和国橋上のM1戦車の砲身がこちらを向いているのに気づく。

パレスチナ・ホテルが標的になっている!

壁に隠れて一息ついたそのあと、激しい爆発音とともに身体が吹き飛び背中を強打した・・・(196ページ)

同じ15階の端の部屋のロイターのカメラマン二人が犠牲となった瞬間でした。

このニュースは日本にも映像で伝えられました。中継したのは佐藤和孝さん。そのビデオに若い女性の「ロイターの人がやられた」という声が入っていて、あれっ?と思ったことを覚えています。女の人がいるんだ・・・と。

2012年8月20日シリアで山本美香さんが亡くなって、その音声がテレビで流れたとき、不意に2003年のこの事件が蘇りました。

あれはビデオカメラを操作していた山本美香さんの声だった・・・

(そのことは198ページに書かれています。)

--------------------------

このM1戦車による砲撃は、宮嶋氏がすぐ日本に伝えたにもかかわらず、また共同通信が砲撃の瞬間をビデオ撮影していたにも関わらず、しばらく「誰が砲撃したか不明」となっていました。

大スクープのはずの共同通信ビデオは配信されることなくオクラ入りとなったとのこと。

今更イラク戦争の話なんて・・・宮嶋さんは「左巻きがどうこう」などの発言ゆえ、敬遠される方もいらっしゃいますが、これは読むに値すると不肖ワタクシは思います。

翌2004年5月にイラクで命を落とす橋田信介さんも、この本の中では元気で無謀にも偽造ビザで入国して活躍、別件でイラク国外追放された後は、無謀に輪をかけてムジャヒディンビザで再入国したりしています。

|

« ムラサキシキブの混乱 | トップページ | 全国大陶器市 小金井公園 »

文系(本とか)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/525834/55741147

この記事へのトラックバック一覧です: 戦場のランバダ:

« ムラサキシキブの混乱 | トップページ | 全国大陶器市 小金井公園 »