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2012年9月 8日 (土)

概念のないところ

概念がないところにソレは存在しない。

と、訳の分からないことを言ってはいけません。

具体的に申せば、例えば「恥」という概念がなければ「恥ずべき行為」は存在しません。

「罪」という概念がなければ「犯罪」も「罪をつぐなう」も存在しません。

通りを歩いていてかばんをひったくられてついでにぼこぼこにされたとします。相手が「罪」も「恥」も持ち合わせがなければ、ひったくられる方が悪い、ぼこられる方がマヌケ、とお抜かしになることでしょう・・・

最近は各種持ち合わせの無いやからが多くて世の中嘆かわしい・・・という話ではありません。そんなの、いつの時代にもありますもん。

話は、きわめて個人的なことです。

はるか昔の大昔、いたいけな小学生だった頃のこと。

超近代都市東京が昔はヴェネツィアと並び称される「水の都」であったように、各地方都市も多くが縦横に水路が巡る「水の街」でありました。倉敷などを思い浮かべてくださいまし。

ワタクシの故郷も水路が多くありました。昔はそれなりの情緒ある城下町であったそうですが、戦争で丸焼けになってバラックから再建されたため、面影は残っておりません。

小学校の通学路は、車一台が通れる曲がりくねった道で、並行する水路とセットでした。農業用水も兼ねた水路は幅1メートルくらいですが結構深く、増水時は水深が2メートルはあったでしょうか。

それがどうしたかと言いますと、学校の帰り道、ランドセル背負って歩いていると、なぜだか水路の方へ引っ張られる気がするのです。近寄りたくないのに、川の主に呼ばれるように足が寄って行く・・・

今と違って川に柵なんぞなくて、道路の端がそのまま川淵で、結構怖かったですよ。水路の向こうは墓地で卒塔婆が見えたりして。

なんでだろなんでだろ、と思い、落ちちゃいけない、と必死に踏ん張っていました。

それからですね、教室で指名されて立ち上がって教科書を朗読していると、周りがすんごい勢いでぐるぐる廻るんですよ。

なんでだろなんでだろ、と思い、その渦に巻き込まれちゃいけない、と必死になって声を張り上げてました・・・

あるときはお家で寝ていたら、布団を中心に部屋がぐるぐる廻るんです。なんでだろなんでだろ。

大人になってからある年の健診で貧血といわれ、胃が蹴飛ばされるような飲み心地の鉄剤を処方された時に気がつきました。

子供時代のワタクシ、ひどい貧血だったんだ。すぐ息が切れる子供だったのも持久走で動けなくなったのも(つまり根性がない子供と思われていたのも)、ぜえ~んぶひどい貧血だったから。

貧血、という概念がなかったから、変だ変だで来てしまった・・・

あの時気がついていれば、人生もうちょっと違っていたかも。親も気がつかなかったんでしょうね。ま、ワタクシの親ですからね・・・

それからワタクシは小学校の低学年は、授業がさっぱりわからない子供でした。

思うに「ゲシュタルト崩壊」みたいなのを起していたんじゃないかと思います。

Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E5%B4%A9%E5%A3%8A

〈ゲシュタルト崩壊(ゲシュタルトほうかい、独: Gestaltzerfall)とは、知覚における現象のひとつ。 全体性を持ったまとまりのある構造 (Gestalt, 形態) から全体性が失われ、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。幾何学図形、文字、顔など、視覚的なものがよく知られるが、聴覚や皮膚感覚においても生じうる。〉

もちろん、「ゲシュタルト崩壊」なんて小難しい概念を知っているはずありません。

先生がなんか言ってるけど音としては聞こえてるんだけれど何言ってるんだか分からなかったり。

自分の体が脳内でばらばらに分解しちゃったりするので、体育の時どこをどう動かすのかわかんなくなっちゃったり自分の足にけつまずいたり。

ひらがなは、じっと見つめると各パーツがにょろにょろ這い出していっちゃった・・・

名誉のため申し上げますと、高学年で普通を通り越してできる子になったざますよ。ちょっと変人だったかもしれないけど。

なんだったんでしょうね、ワタクシのあの謎の小学生時代は。

人間というもののあり方は、概念によって定義されて初めて存在するものなんですかね。

わからん。

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コメント

概念の無い所にそれは存在しない。誠にもってその通りですね。現代は恥も罪も、概念として持ち合わせていない人間が増えているのかも知れません。しかし小学生低学年のあなたのご様子、とても信じられません。たぶん紙一重で上位におられたのが、高学年で少し降りてきたのでしょう。

投稿: te | 2012年9月 9日 (日) 11時11分

宇宙人だったのかも知れません。
異星での記憶はすっかり失われているけれど。
 
なお、小学校高学年での優秀な成績は、その後数年で再逆転いたしました。

投稿: マイマイ | 2012年9月10日 (月) 09時18分

コラムと違うのですが…「絵本 えんどう豆一家」を探して三千里・・・やっと見つけることが出来て 嬉しくてコメントしました。   タイトルも何もわからなくて画像検索でたどり着きました。 他のタイガー立石の絵本も持っていたので、懐かしかったです 有難うございます(><)

投稿: みー | 2012年9月10日 (月) 15時01分

みーさん、コメントありがとうございます。
いつもアホなことばかり書いているので、お役に立ったとは嬉しいです。
かこさとしさんの絵は大好きで、えんどう豆一家の「あさですよ よるですよ」は特に好きです。
子供が独立した今でも、数々の絵本が処分できず、大事にしまってあります。

投稿: マイマイ | 2012年9月10日 (月) 15時56分

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