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2012年9月 4日 (火)

「こっそり本音を申し上げれば」

2012年9月3日の日経新聞夕刊のエッセイ「プロムナード」を見て、へっ?となりました。

今回のタイトルは

「こっそり本音を申し上げれば」

書いているのが、つい先日知ったばかりで、これは面白いといたく興味をそそられた中村和恵さん。

肩書きは「比較文学者」です。

比較文学者って何する人のこと? 気になる人はお調べ下さいまし。まるで分かっていないワタクシには説明できません。

そのエッセイの最後。

〈無駄に本音を言って嫌われる人になりたいけど、相手にもこっちにも都合ってものがあるから、実際のところ、むずかしいです。〉

そうそう、そうなんですよ・・・と言ってもワタクシの本音とはレベルがかなり違うみたいですけど。

シンクロニシティという言葉を思い出しました。Wikipediaによりますと

〈シンクロニシティ(英語:Synchronicity)とは「意味のある偶然の一致」のことで、日本語訳では「共時性(きょうじせい)」とも言う。〉
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3

これはきっと、中村和恵さんの本を読むべしという、天の声なんだ・・・

↓先日読んだ本です。

120904tijo

「地上の飯 皿めぐり航海記」 中村和恵

平凡社 2012年1月18日

この本は、図書館の「食品・料理」のコーナーにありました。食べ物関係の軽い話かな、と思って借りてきたのですが、違うですよ、文学の棚におくべき本ですよ・・・

著者について全く知識がなかったもので、名前からすると女の人、でも読んでると性別不明もしかして男の人? かなり読み進んでから「マダム」と呼びかけられる記述があって、ああ女の人なんだ・・・

始めのほうで著者が書いているとおり、旅先に唯一携えていった日本語の本が長谷川如是閑の倫敦見聞記で、寝る前に読むものだから俄然文章がじじむさくな・・・ったのかもしれませんが、その影響を脱したと思われる後半に至っても性別不明なのです。

多分文体の問題ではなく、

「じゃああなたはなんですか」

ときくみそやさん相手に

「わたしはわたしよ」

と答えてしまい、(まさかこんなことになるとはおもってもみなかった)と困ってしまう、著者の感覚にあるような気がします。

(125頁「みそや問答」)

詳しくはお読みいただきたいのですが、世界各地でいろいろなものを食べる、その話自体も面白く、また文学てんこ盛りの文章の細部にあらわれる著者の感覚も面白い読み物です。

参考までに目次を。

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皿の上の雲

スパンコールの海

 碧緑芳香島
 鱈の世界旅行
 とかげのしっぽとアールの魚汁
 ベイカーさんのマンゴー
 フランス料理に関する汗まみれの考察

探検家の食卓

 パンの実奇譚
 虫めづる人々
 日本人はうまいのか  

 フランクリン隊の缶詰

記憶の皿

 つらら食い
 心残りの一皿
 くじらに関する正直な話
 みそや問答

国境の匂い

 国境の匂い
 フリカケの存在意義
 ゾンカ
 ナガセさんのパンとネリマンのチョコレート

食いしん坊であることについての言明

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「日本人はうまいのか」には、(どう考えてもアホウとしか思えない)迷信ゆえに周辺諸国の人々に食べられてしまうピグミーの話があります。

それを「かわいそうです」と著者に語るのはコンゴ民主共和国から来て名古屋大学の先生をしている社会人類学者。

また、「ひとはむやみに食べてはいけない、しかしおいしい」とマレトゥさんは書いているとか・・・

で、さらっと「世界はまだまだ白人が胴元のゲームなのであ」るとかの文章が混ざっていたり・・・

もいっかい読も。

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