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2011年5月26日 (木)

「奈知未佐子自選短編集」

奈知未佐子さんの新刊

「一日の最後に読みたい本 奈知未佐子自選短編集」が発売されています。

2011年4月13日発行 定価743円+税 小学館

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コミック誌月刊フラワーズに掲載のシリーズの2003年~2010年の中から著者自身が選んだショートメルヘン集です。

2003年に「月のあくび星のうたたね」「雲のおしゃべり風のうた」が発行されてから実に8年ぶりの単行本です。

奈知さんの描くお話はどれもみな、暖かくて優しくて切なくて、読み終わったあとで懐かしいものを思い出す気がします。

1979年にデビューして以来、コンスタントに良質の作品を描き続けているその創造性には感嘆せざるをえません。

諸々の都合でコミック誌の購読を中断していて1年ほど前に再読し始めましたもので、単行本化されていない2003年以降の作品が読みたくてたまりませんでした。

コミック誌の読者アンケートで要望したこともありました。

念願かなってようやく発行となりましたが、残念なことに全作品ではありませぬ。

8分の1のたった12編です。奈知さんご自身、選ぶのにどんなに苦労したことでしょう。

奈知さんの描く作品に「はずれ」などありません。選ばないで全作品を年代順に単行本化して欲しかった・・・(出版社さん、再考をお願いします。)

「一日の最後に読みたい本 奈知未佐子自選短編集」の掲載作品
迎え提灯 送り羽織
風時計
河童の水
隅っこの椅子
影鬼
ずずら豆の豆稲荷
悲しい蝋燭
グレイゴーのスタンプ
砂の時計
風の糸車
月の輪っか
クルンカの橋

それぞれの作品に余計な解説は不要です。一度読んでみてください。

「あとがき」の文章も味わい深いものがあります。

〈頭の中に、大好きな幾つもの風景がある。
 それは決して風光明媚なものではなく、
 日常の中で目に飛び込んできたような何気ない景色だ。
 例えば子供の頃に通った雑草だらけの、時折蛇が横切る坂道だとか、(以下略)〉

2月末に発行予告が出て予約して、それから3月11日に大震災が起き、コミック本の発行中止などが言われる中、この本も発売延期になるのかと半ば諦めていましたが、発売予定日の翌日に届きました。

地震の直接の被害は少なかったとはいえ、あまりの出来事に不安で落ち着かない思いでいたのが、奈知さんの作品集を読むことで心がほぐれてほっとしました。

奈知未佐子さんの描くお話は「疲れて縮こまった心」によく効きます。

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