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2009年11月 7日 (土)

なんだかな・・・

月が変わってしまいました。10月はあっという間に過ぎたのに、10月初めにばあ様を救急車で入院させたのが遥かな昔のことのような気もします。

10月の3日には一緒に近所を散歩しました。辛そうでしたが。晩ご飯は里芋の揚げたのをちゃんと自分で食べていました。その夜は珍しく熟睡して、翌朝8時になっても寝ていました。

雨戸を開けたら起きて来て、普通に見えました。でも、ご飯が食べられませんでした。おかゆなのに「固くて食べられない」と何度も言って。

病院にいくために入れ歯を外して口をすすいで貰ったら、食べたものが全部口に溜まっていました。

結局、前日の里芋がこの世の最後の食事になりました。

入院中、初めは「ご飯まだですか」と催促して(でも口からは水さえ摂取禁止)いたのに、結局、点滴と経鼻栄養だけで・・・

先週末はまた実家に行ってきました。人間が一人亡くなると、残された者にはいろいろとすることがあります。そういう用事で忙しいことはいいことです。余計な感傷をつつきまわさずにすみます。

少々お片づけをして参りました。といっても四十九日前なので、盛大にものを捨てるようなことはいたしません。こっちのものをあっちにおいてあっちのものをこっちにおいてカバーをかけて・・・と根本的に質量のプラスマイナスのない移動だけ。

いろいろと捨てられないものがあります。思えば5年前のじい様逝去の際はモノに執着がないばあ様が「こんなものいらん」と豪勢にじいの遺品をさっさと処分しますもので、それはちょっとどうかと・・・みたいに思っておりましたが、今となってはあの時ばあ様が躊躇なく捨ててくれたもので助かりました。二人分の遺品整理なんて、考えただけでくらくらする・・・

片付けながら、これでもう実家は「帰る家」ではなくなったなあ、と実感いたしました。こうやって人間は故郷と縁が切れて行くのですね。

ちょっと落ち着いたのも事実です。田舎に帰るたびに悩まされた不眠症は消え失せた気がします。以前は同じ屋根の下にばあ様が寝ているということだけで眠れなかったのに。いろいろばあ様とシンクロしていた気がします。ひどい風邪を引いたのも一緒、喉になにかつかえている気(ストレス球)がしたのも一緒、片方が怒ればもう片方が爆発して・・・

離れて暮らしていたせいで、亡くなった顔もみているのに葬式もしたのに、亡くなったという実感がちょい薄いです。実家の玄関を開けると、ばあ様がぶつぶつ言いながらいそうな気がして。

ばあ様のぶつぶつは本当にうるさくてうざかったけれど、こんな結末になるとわかっていたら子守唄のように聴いたかもしれません。

凡人たるわたくしは、ばあ様の言葉通りに今更ながら親不孝を悔いています。それなのに、「よくみてあげたから、悔いはないでしょう」と慰められて・・・

「死んでから、あんなことをするんじゃなかった、かわいそうなことをしたと思うようになるぞ」

と、ばあ様は切れ上がったわたくしに言ったのです。今更ながらに、言霊の効き目ばっちりこ。

お線香をあげに来て下さった方が言いました。みんな後悔している。親にやさしく出来なかった分は他人にやさしく返せばいい、と。

帰りの電車で乗り合わせた母娘二人連れの老親の方が心配性らしく、降りられないと困る、とだいぶ前から降車のしたくをしようとするのを娘が「まだ早いから」と止めるのが、過度の心配性だったばあ様の姿とダブり、ついつい「大丈夫ですよ、降りられますよ」と繰り返して口をはさんでしまいました。

人間、年を取ると誰もが同じように「なんだかわからないけど困る」不安を抱えて生きているのですね・・・

ばあ様の葬儀の花輪の菊がまだ元気です。

091107kiku

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